本コースは、義務教育における児童・生徒の発達段階を見通し、系統的な教育実践能力を有し、小学校教育の課題に積極的に対応できる教員の養成を目的としています。小学校教育の課題には、新たな教育内容への対応、複式学級などの小規模教育への対応、幼児教育との接続、小中一貫教育への対応、通常学級における特別な支援を要する児童の増加など様々なものがあります。これらの問題に対応するため、本コースには3つの系が設けられています。また、小学校教員免許に加え、他校種の教員免許の取得を卒業要件とします。
子どもの発達と学習を相互に影響しながら進展していく過程ととらえ、教育実践の新しい可能性を追求しています。この系では、教育学と心理学にもとづいた二つの能力を形成します。一つは、学校における教育実践と省察のサイクルの中で、学級経営の諸問題を分析して子どもに対する指導を改善するとともに、国際的な比較の視点から学校教育の可能性を考えていく能力です。もう一つは、教育心理学や発達心理学の知見を踏まえ、学級での個人と集団の関係を理論的・実証的に理解するとともに、認知-行動モデル、療育的介入法、カウンセリング技法を理解し実践できる能力です。
全教科を貫く授業実践の理念を獲得するために、小学校教育コース共通の授業(教育学、教育心理等)を受けることはいうまでもありませんが、本系では、特に、小学校の11教科(国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語、道徳)の授業実践に自信を持って取り組める卒業生を育てることを目標としています。さらに、3年生の教育実習前後には、授業実践の基盤となる授業観察法及び学習材研究法を必修にしています。なお、本系では、副免許として中学校(各教科)免許を取得する卒業生がほとんどです。
離島・へき地の多い長崎県の地域的特性を生かし、小規模校や少人数学級等の実情にも即応できる適応力を備え、グローカルな視野を持った柔軟な教育実践能力を有する教員の養成を行うことを目的としています。古来より世界に開かれ、東アジアに通じるゲートウェイとして文化的多様性を育んできた風土に学び、ICTを駆使して積極的に地域や他者と関わる姿勢を涵養します。また、小学校教育の諸課題に対応できる資質を身につける一方で、中学校教育における確かな教科教育力を有し、小中一貫校や義務教育学校等での教育にも力を発揮できる教員の養成を目指しています。
氏名・職位 | 専門分野 | 教育・研究内容など |
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教授 |
臨床心理学 スクールカウンセリング |
不登校など支援を要する児童生徒の心理やその対応を中心に、居心地の良い学級づくりについての研究をしています。スクールカウンセラーとして、学校に出向くことも多いです。 担当授業:教育相談,子ども臨床,心と社会など |
教授 |
教科教育学(国語科書写・書道) | 手書きする行為(メモ、ノート、書制作など)に関して、主に教育学的見地から、見過ごしているような視点(歴史、比較、身体など)に立って研究しています。 担当授業:小学校書写,書字論,中等国語科教育Ⅲ(書写)など |
教授 |
英語教育学 第二言語習得 |
小学校の英語教育と小中連携の理論と実践について研究しています。特に、英語初学者にとってどのような学習が好ましいかということを、言語習得の見地から考えています。 担当授業:初等外国語教育,小学校外国語,総合英語Ⅰなど |
教授 |
学校保健学 | 子どもの発育発達を踏まえた正しい生活習慣の在り方について医学的な視点から教えています。 担当授業:初等体育科教育,小学校体育科,学校保健など |
准教授 |
学習社会学 教科教育学(生活・総合的学習) 教師教育学 |
離島や過疎地域での持続可能な地域活性化と学校カリキュラムとの連携を軸に、「地域知」をもとにした子どもたちの学びづくりを支援しています。原点はいつも足もとにあり! 担当授業:初等生活科教育,小学校生活科,教育課程論など |
准教授 |
教育行政学 教育制度論 比較教育学 |
子どもの豊かな育ちを支える”大人の営みや地域の在り方”とはいかなるものか?という関心から、アメリカにおける「学校づくりとまちづくり」の動向を研究しています。 担当授業:教職の理解,国際理解教育論,教育行政・制度論,教育課程論など |
准教授 |
教育工学 情報教育 モバイルラーニング |
現代の教育の課題解決を支援するテクノロジーの研究,および,情報を活用する能力の育成に関する研究をしています。 担当授業:教職とICT活用,離島と教育,情報システム概論など |
准教授 |
家庭科教育学 被服学 |
ものづくりや消費者の視点を通した家庭科教材の開発や、家庭科教育実践の探求の中で、特に、長崎の自然を活用した染色や洗濯に関する衣生活の教材に関する研究をしています。 担当授業:初等家庭科教育,中等家庭科教育Ⅰ,被服学Ⅱなど |
准教授 |
教育工学 情報教育 |
遠隔授業などの情報通信ネットワークの教育分野への利用や教育の情報化に関すること、プログラミング教育などの情報分野に関することのなどの教育・研究を行っています。 担当授業:教職とICT活用,情報科学概論,ネットワーク概論Ⅰなど |
社会科教育学 | 子どもの思いや実態、教える内容の両方を大事にしながら、子どもたちが未来社会の形成者となるために必要な社会科の授業・カリキュラムのあり方について研究しています。 担当授業:初等社会科教育,社会科指導法(公民分野),初等授業観察研究など |
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音楽教育学 | 音楽と人との関係をサポートすることがライフワークです。研究面では音楽行為の意味や教育方法を探り、実践面では教育現場への出前授業・ワークショップを提供しています。 担当授業:初等音楽科教育,離島と教育,合奏bなど |
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学校経営 教育行政 教師教育 |
グローバル化の進展やAIの台頭など、近年の急速な環境変化へ学校が対応し、教育活動の改善を図るためには、どのような“マネジメント”が求められるのかを研究しています。 担当授業:教育社会学,教育経営論,生徒指導など |
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国語科教育学 | 中・高等学校での現職経験をベースに、読むこと・読書指導、単元学習を中心に、国語科教育の研究をしています。これからのことばの学びについて、一緒に考えてみませんか。 担当授業:初等国語科教育,中等国語科教育Ⅰなど |
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准教授 |
教育方法学 教師教育学 |
一過性かつ複雑な事象である授業を様々なアプローチで科学的に分析し、学びの効果や教師の意思決定プロセスを明らかにする研究をしています。 担当授業:教育方法・技術論,特別活動及び総合的な学習の時間の指導法など |
准教授 |
教育心理学 認知科学 |
子どもの心の動きをより深く理解し,効果的な教授・学習法を考えるために必要な教育心理学や発達心理学を教えています。人の心の仕組みに興味のある学生を待っています! 担当授業:発達心理学,心理学統計法,教育心理学など |
准教授 |
数学教育学 | 現在の関心事は、ヴィットマンによる「本質的学習環境」、「「パターン(法則性)の科学」としての数学観」で、特に就学前および小学校の数学教育に関わるものです。 担当授業:初等算数科教育,数学教材研究a,中等数学科教育Ⅱなど |
准教授 |
教育哲学 教育思想(史) 道徳教育 |
現代福祉国家の教育について、教育哲学・教育思想(史)の観点から研究しています。また、時代への応答として、教育法の条理解釈のための哲学的基盤の構築を試みています。 担当授業:道徳教育論,教育原理論など |
助教 |
教育心理学 | 自主的に学ぶ子どもの育成に研究関心があり,学習に対するモチベーションのメカニズムや,それを維持・向上させるための方法について研究しています。 担当授業:発達心理学,教育心理学など |
★ 各コースの卒業に必要な教員免許(主免許+副免許または基礎免許)
コース | 主免許[必修免許] | 副免許/基礎免許[選択必修免許] |
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小学校教育コース | 小学校教諭(一種) | 中学校教諭(二種)、幼稚園教諭(二種)、特別支援学校教諭(二種)のいずれか |
中学校教育コース | 中学校教諭(一種) | 小学校教諭(二種)、高等学校教諭(一種)のいずれか |
幼児教育コース | 幼稚園教諭(一種) | 小学校教諭(二種)、保育士のいずれか |
特別支援教育コース | 特別支援学校教諭(一種) | 小学校教諭(一種)、中学校教諭(一種)のいずれか |
※附属学校園での教育実習の受け入れ限度人数の関係上、小学校教育コース学生の副免許は、校種・教科ごとに受入上限人数を設けており、入学後、選考等により決定するため、希望に沿えない場合があります。また、この選考等において、入学試験の成績を参考にする場合があります。
※小学校教育コース学生の副免許及び特別支援教育コース学生の基礎免許のうち、中学校教諭の免許は、下表の中から1教科を選択します。
※中学校教育コース学生の副免許のうち、高等学校教諭の免許は、主免許と同じ教科(社会専攻は地理歴史又は公民のいずれか)となります。
※特別支援学校教諭の領域は、知的障害者、肢体不自由者、病弱者です。
※「主免許・副免許・基礎免許以外の校種又は教科」の教員免許(=卒業要件外免許)は、カリキュラム編成上、取得できるとは限りません。
中学校 |
国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語 |
高等学校 | 国語、地理歴史、公民、数学、理科、音楽、保健体育、工業、家庭、英語 |